パリの灰色は原色の混沌。
 研究に片足嵌ってるのをいいことに様々と阿呆な事とそう阿呆でもない事をしでかしては浮いたり沈んだりした挙句にミサとか行っちゃってもうこれまるでメロドラマである。いつか自伝にするネタを増やしてしまった。大体が圧倒的な本の山ほどある時には気持ちを高揚させ次の日には私をどうしようもなく絶望的にするのにうってつけなものもなくって丁度またご丁寧に雨なんか降ってくれちゃってさ。塵から生まれて塵に帰る前に読む者たちよ。ボーヴォワールの歩道橋から河に映える町の灯を眺めてみてぴかぴかの建物に拍手して一方、少し空気の緩んだ運河周辺とかRERのB線D線なんかのごちゃごちゃなパリが愛しくて堪らない。その分帰ってきたときの安心感もひとしおなのだけど灰色の後遺症はそれ自体があまりに魅力的なので戦う前にちょっと降参しかかってる。