美術館の半地下に従業員の休憩室があり、ご飯を持っていって落ち着いて食べられてコーヒーも飲める。来ているのは専ら受付・警備の人たちや研修生で、気さくな雰囲気。上の人たちは外で食べてるんだろうか。
 
 フランス人の働いている人が、おべんとを持参するとどうなるのか、警備とか収蔵庫の管理とかをやってるっぽいパトリス(仮)の今日の昼食を挙げてみよう。
 向かいのパン屋の全粒粉バゲットに、まずリエットという豚肉か何かのパテを付けながら食べ、アボカドを二つにナイフで割って、種の入ってた所にマヨネーズを絞って食べる。このパン一本を食事の間常にお供にしている。続いて、トマト二個分くらいを薄切りにして皿に綺麗に並べてドレッシングをかけてたものを美味しそうに食べている。これは食事に取り掛かる前に切っておいたらしい。それから起き上がって、何やらパックを取り出してレンジで温める。調理済みのものらしい、ジャガイモのピューレと干したタラの混ざった一品。私が前に食べてあまり好きになれなかった数少ないフランス料理の一つだが、これがメインだったらしい。デザートは、キウイと、ヨーグルトと、チョコレート一粒。
 彼はPACS(Pacte civil de solidalite民事連帯法)がいかに素晴らしいかをconservation部門の部屋で力説して学芸員のお姉さま方を苦笑させていた。これをすると、結婚するのと変わらない権利が得られるのに、解消するのがとっても簡単なのだそうだ。フランスでは離婚は必ず法廷を通す必要があるけれど、パクスはどちらか一方が申請すればすぐに解消できる。実質ほとんど変わらない二つのうち、解消が簡単という理由で一つを積極的に選ぶというのは、なんかスゴイなあと思う。あ、大きな違いとしてはパクスは同性で出来るそうなんだけど、でも異性同士の二人でパクスを選ぶ人たちというのも相当増えているらしいので。
 ちなみに私の今日の昼食は、向かいのパン屋で買ったポワロー葱のキッシュ(卵の入ったパイ)と、イチゴとカスタードの一口タルト。このパン屋さんは、モンフェランのはずれなのにいつでも程よく人が並んでいて、サンドイッチが巨大過ぎるのが難だが、お菓子の種類も多く、バゲット類もとても美味しい。