昨日は京都国立近代美術館の『アーツアンドクラフツ展』。
 イギリスの国を代表する様式といったらゴシック、というのをどこかで聞いたが、アーツアンドクラフツの初期のころ、土地固有の伝統と素材による簡素で合理的なデザインを目指すとそこはかとなく中世風の素朴さが出来上ってて、その後もゴシックのにょきにょきはずっと通底しているのがわかって面白かった。ウィーン・東欧・ロシア方面へ伝播したかたちも好き。今夜盗み出すなら、ロシアで作られた壁掛け式の食器棚がいい。木彫りがとても精緻で、上品に絵付けされたタイルなんかもついていた気がする。「素朴な民芸」に甘えない職人芸は見ていて気持ちの良いものだ。