しばらく息つく暇もなく慌ただしかった(わりに研究進まず・・孤独に励む決意も虚しきかな)。共同研究の企画立案という文系には超珍しい仕事、幾夜もいつ果てるとも知れぬコンセプト練りあげの話し合い・・茶会で亭主やった時の朦朧とした苦しみを思い出したくらい。でも本当に出来たらかなり面白そうなのになったから、また進展の機会があればお話しすることになりましょうぞ。
 合間に。

制作 (上) (岩波文庫)

制作 (上) (岩波文庫)

仏文の授業にお邪魔しようと思って、そこで扱うというので。これは、かなり苦しかった。十九世紀後半のいかにもな芸術家像に微苦笑しているうちはよかったのだが、転落が始まるなり、こういう価値観から私たちがまだまったく自由になっていないことが身にしみてわかる。例えば、多少なりとも創造的なことを志す人なら、芸術なり創造なりへの自らの幻想にあらゆるものを収奪・搾取される前に読んでおいたらよさそうだし、それ以上に、間違ってそういうタチの人間に惹かれそうになっている人なら、人間にミューズは勤まらないということを心に刻んでことに臨むために読んでおくべきだと思った。
 そんなこんな、昨日は夕方の飛行機で北海道に帰省。阪急→大阪市営地下鉄南海電鉄全日空快速エアポートスーパーカムイの間に読んだ。
1Q84 BOOK 3

1Q84 BOOK 3

まだ途中なんだけど。ものすごく売れているらしいが、そして、面白いし凄いと思うのだが、ものすごくたくさんの人間たちがこれを読んでいるというのは不思議な感じがする。なんかもっと危険なものの感じがするのだが。とはいえ、壁と卵の話を待たずとも私はこの人の倫理観のようなものはひとまず信頼を置いているのだけど。
 とりあえず、あわせて読みたい(笑)→PEPEの脊柱起立筋Ⅳ