日曜日は、パリの北方へ新幹線で一時間のリールへ。とても近代的で郊外感満載のヨーロッパ駅と、街の中心部の広場、郵便局のある塔。

 旧証券取引所の建物。フランスではあまり見ない素材と装飾で、かなり北方っぽい。実際、パリからは近くても街はレンガや木材をよく使ったり屋根の傾斜が急だったりするし、言葉もアクセントきつめ(★)。ちなみにこの建物は今はブティックが入り、中庭では古本市をやっていた。夕方覗いてアゴタ・クリストフのLe Grand Cahier(悪童日記)文庫を買ってしまった。

 共和国広場に向かい合わせに建つ市庁舎(上)と美術館(下)はずっとずっとフランスのスタンダードな建物という感じ。

 もっとも美術館はミュゼ・デ・ボザールではなくパレ(宮殿)デ・ボザールというだけあって、外見も塔やら彫刻飾りやら柱やらでにぎやかなうえ、中も広々としていて気持がいい。

 上の写真の右は地下の中世からルネサンスの美術、中世・ルネサンス美術のコーナーは暗いので良い写真がとれなかったんだけど、レンガのアーチ形の梁で支えられた厳粛な空間。暗い地下に宗教美術を集めて、スポットライトを使って演出する一方で、バロック以降の大型の絵画は、高い天井から自然光を採光出来る二階の開放的な回廊に展示するというのは、とてもいい方法だと思う。北方ルネサンスの小型の宗教画の板絵や15-16世紀の木彫などは、広く明るい部屋におくと状態の悪さにばかり目が行ってしまったりするが、教会のクリプトを思わせる地下の暗い中で照らされると、エナメル細工のような、いかにも貴重で奇跡的な神に捧げられた技という印象を受けるもの。下が二階の絵画、ドラクロワの一角。

 壁は時代ごとに微妙に色分けされている。ここは薄いピンクだけど、例えばバロックのフランドル絵画は赤。リールはほぼフランドルなので、ルーベンスと、さらに驚愕もののヴァンダイクがある。これについてはまた書きますきっと。
 あと、地下に特別展用の大広間があり、さらに軍事用の周辺の街の立体模型のコーナーが!すごい!


 今日はもう遅いので、特別展などなど、あと、リールだ食べた珍妙な食べ物について後日また書きます。特別展頁はこちら→http://www.pba-lille.fr/spip.php?article1935
★ノール県というと、前回いた時にみたこの映画を思い出します。ちなみに日本語版は探せなかったんだけどドイツ語吹き替えが出てきた。