猿の指の渓谷の宿で一泊。次の日はいよいよ砂漠へ向かう。

 午前中は、ベルベル人(内陸の先住民族)のガイドによる砂漠地域の農業見学。アルファルファ、ヤシ、小麦、とうきび、イモ、オリーヴなど。

 ユダヤ人が9世紀ごろに作った村に、今はベルベル人が住みついており、女性たちが絨毯を織っている。目の前に次々と広げられる絨毯。我々の誰も買わないとみるとあっというまに追い出される。

 旅の仲間と昼食。観光客向けの食事どころはどこも、織物のゆったりとしたソファが円卓を囲んでいてよい感じ。「ベルベルオムレツ」という、ラタトゥイユに卵を三つ割りいれて蒸し焼きにしたものを注文した。オリーヴオイルの香り高く、野菜が甘くて美味しい。

 川の上流にある峡谷で一休み。澄んで冷たい川に入って涼む。

 それを抜けると本格的に不毛の地へ。車内が暑くて耐えがたいので、夢うつつ。途中のドライヴインでは、1.5lの水を凍らせた秘密兵器が売られていた。

 舗装された道路を外れ、揺れる砂漠を通ってメルツォーガの砂丘のふもとのゲストハウスに着く。そこからは、荷物と車を置いて、ラクダで砂丘を一時間半。

 テントに着いてから、砂丘に登ってみた。思いのほか足を取られて大変!ラクダってすごいのね。何もないから距離感がつかめないままに稜線に沿って歩き、ふと下を見るとテントがこんなに小さくなっている。

 砂丘の真ん中のテントで、ガイドさんの作ったタジン鍋を食べ、ミントティーを飲み、歌を歌ったり旅の仲間と女子トークしながら夜が更ける。眠るのが勿体無いような星空!幸いそれほど寒くならないので、テントから出て外に毛布を敷いて眠った。

 次の朝は五時起床。ラクダに乗って砂丘のテントから車の待つゲストハウスまで戻る。途中で日の出。


 マラケシュに戻らずにフェズに向かう我々は、途中で旅の仲間と別れ、タクシー(1981年のベンツ)に乗って不毛の地を後にする。二時間ぐらいするとふもとの村々の水源になっている湖が。
 次回は街の様子や食べ物などを挙げます。