なんでか今週に人と会う用事が集中ー!帰国前だから当たり前…というほど普段から社交的ではないのにありがたいことです。美味しいものも食べられるしね。
 ところで、本が結構(といっても学者卵仲間の中では少ない方だと思うが)増えてしまい、ヤマトを使ったりする人もいるようなのだが、私はフランスの郵便局の激安本配送サービスを使うことにした。5kgまでの一包で13ユーロちょい。専用のはこ「コリシモ」では、8kgぐらいまでで39ユーロするので、時間はかかるとはいえ、安いのがありがたい。
 ところが、ほとんど化石になりかかっているサービスらしく、郵便局に行ってもすぐにはわかってくれないことがままある。私はこの書籍郵送システムの名前を知らないので、「ええっと、本を日本に送るんですけど、沢山あるので、時間かかってもいいので安いやつで」とか言った辺りで、「ああ!」とわかってくれる。ところが、この時期フランスでは学生が研修をしていたりして、そんな時には、こちらが送料・重量・郵送の期間から書く書類まで丁寧に説明する羽目になる…!のはいいとして、先日、郵便局にいったら、「リーヴルドキュマンユルトラエコノミーック」と叫んでいるご婦人がいらっしゃって、やっと私の求めるサービスの名称が判明したのであった。直訳すると「書籍・書類・超経済的♪」でなんともわかりやすし。そのおばさんのお相手の局員さんはなんのことかわかってらっしゃらなかったようだけど、私は今後この名称を採用させていただくことにしよっと。

 時をさかのぼりまして、モロッコはフェズの絨毯屋の内装。絨毯屋には一週間の旅なのにどういうわけか二回も連れて行かれたのだが、絨毯売るのはあんまりうまくないんだよな。もっとゆっくり見せてくれて説明してくれたら恋に落ちる可能性もありそうなものだが。

 翻ってこちらはモロッコシルクという、サボテンの繊維からとった糸を織った手織りの布。基本はベッドカバーサイズだが、他のサイズも作っているらしく、我々がいたときには、イギリス人と思われる二人組の女性がカーテンを誂える相談をしていた。光沢があって軽く、洗濯機で洗える。なにより色遣いが美しい、というか好みど真ん中で、どうしても欲しくなってしまった。
 そこで、値段の相談…最初に提示されたのは私の払える予算の三倍強(しかも、その1.5倍の値段から「特別に」下げてくれてるという)。値段の決まった国で生活していると、予算外なら即諦めるという習慣がついてしまってるのだが、こちらの人は「1円もお金、10万円もお金、私達みんなが幸せになれる方法を考えましょうよ」と、自分の払える値段を言うように友好的にかつ執拗に迫ってくる。とはいえ、機織りの現場やら色々見せられた後で、あまり安い値段をつけて、プライドを傷つけられたと思っては欲しくないし、こちらに見る目が無いとも思われたくないし…。さんざん日本人力を発揮してもじもじした後で、「本当に、申し訳ないんだけど、私はマジでこれしか払えない。ので、諦めるわ、仕事見つかったら来ます」といって提示された値段の五分の一をちっちゃく書いた紙きれを見せる。ま〜ここで、「おじょうちゃんまたね」になりそうなもんだけど、布は本当に気に入ってて、安物ではないというのも理解してたし、欲しかったし、その辺りをうまく伝えられたからか、交渉が継続…あとは詳しくは省きますが、結局、どちらも幸せな気分で、布を一枚手に入れて帰ってきました。本当に洗濯しても色つやもそのままだし、肌触りも優しいので、フェズにお立ち寄りの際はぜひ!(これ、宣伝です!安くする代わりに宣伝してって言われたので!)