ご無沙汰してます!北海道での引き籠りの三週間を終えて帰って、京都でうごうごしております。旭川の友人たちよ、連絡もせず引き籠ってて申し訳ない。今度また遊んでください。
 ところで、胡散臭いタイトルを付けたのは、関西空港と京都の交通事情について一席打とうと思ってのこと。わたくし、このルートを重い荷物を引き摺って行き通うこと数知れず、お財布の平穏のために多少の手間を惜しまぬ気概のある方に自信をもってお薦め出来るルートを存じておりまする。
 ちなみに、お財布に余裕があり、空港までの間もお仕事やお弁当等をゆっくり広げたい方には京都駅から特急「はるか」を迷わず薦める。自由席で2980円、指定席ならもっとするけど、ぜーんぶ寝てても安心だ。
 そうでない場合、四条河原町から阪急の特急で淡路まで行き、淡路で天神橋筋六丁目、略して「てんろく」行きの、たいてい向かいのホームに停車中の電車に飛び乗る。この電車はなかなかやりよるので、天神橋筋六丁目大阪市営地下鉄に変身し、駅名アナウンスがなごみ系の男声からぱきぱきした女声に、お客さんの感じも激変する。そう、ここは大阪☆この電車に乗り続け、終点の「天下茶屋」駅で降り、改札を出た足でそのまま真っすぐ向かいの南海電鉄の改札を通る。関西空港には「空港急行」で一本である。これで合計1550円、時間は、はるかが75分程度に対し90分ちょっとかかるが、本数も多いので大変便利だ。河原町の駅だけ工夫が必要だが、他は分かりやすいところにエレベーターかエスカレーターがあるので、重い荷物も安心。
 ところで、天下茶屋からの「空港急行」を待つ間、電車というよりは潜水艦に似たラピスラズリ色のスーパークールな特急が来て去っていくことがある。私が国内外で観てきたあまり多くないけど少なくもない電車の中ではずば抜けて美しい、南海特急ラピートβ(関西空港行き)である。群青一色の車体に、オーバルの大きな窓が並び、入口の横には銀の流麗なRapi:tの文字。でも、私は500円の追加料金が惜しくて「いいの、眺めてるだけで幸せだもん」って強がっていた…!
 それが今回、関空から京都に帰る時に南海電鉄の窓口で「河原町までお願いします」と切符を買おうとしたら、「特急で1500円、急行なら合計1200円です」というではないか。!!!!!この正体は京都アクセスきっぷ(京都アクセスきっぷ|南海電鉄)。期間限定で、上の経路の逆向きが当日限りお得な値段で利用できるというものだ。これで、ラピートに乗らない手はないッ!!
 というわけで、ラピート、乗りました!とーても快適だった!速かった!気分よかった!車内はほんのりピンクがかったクリーム色と色大理石のような模様の入ったオレンジ色のコンビで、豊かに起毛した座席は気にならない程度のヒョウ柄オーバルの大きな窓はどこまでも磨かれて、良く見える景色は、でも楕円に切り取られると異世界の趣だ。指定席はコンピュータで管理されているらしく、可愛らしい帽子をかぶった車掌さんはゆっくりと歩きぬけるときに切符を拝見などと野暮なことはしない。急行の車内を埋め尽くすパチンコ屋と消費者金融と過払い解決の広告は見当たらず、停車駅は少なくアナウンスは控えめで深海のような静けさだ。すっかりくつろいで、後はもう地下鉄〜阪急で座れなくっても全然へっちゃらのご機嫌で帰ってきましたとさ。